藪の中


会期:2015年1月23日(金)〜2月11日(水・祝)
時間:11:00〜18:00
休廊:日曜日、2月4日(水)、5日(木)
入場料:無料
主催:京都造形芸術大学
協力:東山 アーティスツ・プレイスメント・サービス(HAPS)
出展作家:荒木悠・門田訓和・加納俊輔・金光男・彦坂敏昭
HP: http://yabunonaka.black/


芥川龍之介の小説『薮の中』では、ある出来事を巡り目撃者と当事者の証言の食い違いが次々と矛盾と錯綜を引き起こし、事の真相が著しく捉えがたくなる構造を用いて物語が展開されています。このように視点の位置によって物語の見え方が二転三転してしまう状態を、展覧会の枠組みに置き換えてみるとどうなるでしょうか。

この展覧会は、出品作家のみが知る共通のテーマやモチーフに基づいて構成されています。展示されている作品、作品と作品の間にある関係、または会期中に行われるイベントなどによって、展覧会の輪郭が明らかになっていきます。

出品作家である荒木悠・門田訓和・加納俊輔・金光男・彦坂敏昭の5名は、それぞれが絵画や彫刻、版画、写真といった特定のメディウムから出発しつつも、結果としてその領域に収まることのない作品展開を試みている若手作家です。『薮の中』を通して彼らの作品全体を見渡していく本展は、作品と作品、作品とそこに立ち会う人をめぐる、新たな関係を体験する場となることでしょう。


◆トークイベント◆
2015年1月23日(金) 16:00-18:00 会場:ギャルリ・オーブ
ゲスト:
仲間裕子(なかまゆうこ)
立命館大学産業社会学部教授(美術史・美学)。1953年生まれ。津田塾大学国際関係学部卒業後、ベルリン自由大学美術史研究所に留学。大阪大学大学院文学研究科博士課程修了。文学博士。

吉岡洋(よしおかひろし)
1956年京都生まれ。美学者。京都大学文学部哲学科(美学専攻)、同大学院修了。甲南大学、情報科学芸術大学院大学(IAMAS)を経て、現在京都大学大学院文学研究科教授。専門は美学芸術学、情報文化論。著書に『情報と生命−脳・コンピューター・宇宙』(新曜社、1993年)、『〈思想〉の現在形−複雑系・電脳空間・アフォーダンス』(講談社、1997年)など。


2015年2月7日(土) 17:00-19:00 会場:ギャルリ・オーブ
【第1部】17時~ 沢山遼レクチャー(美術批評における「メディウム」について)
【第2部】 18時~ 出品作家を交えてのクロストーク
ゲスト:沢山遼(さわやま りょう)
1982年生まれ。美術批評。武蔵野美術大学大学院造形研究科修士課程修了。主な論考に、「限界経験と絵画の拘束――香月泰男のシベリア」『前夜/前線――Critical Archive vol.2』(YCA,Tokyo)、「テクスト論的転回――「平面/立体」という呼称」『美術フォーラム21』 第30号(ともに2014年)など。