Galerie Aube / ギャルリ・オーブ[2006.11.17.前川國男展]
モダニズムの先駆者 生誕100年 前川國男建築展 in京都
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前川國男
まえかわ・くにお[1905−86年]

 建築家。新潟市に生まれる。1928年東京帝国大学工学部建築学科を卒業後に渡仏、1928−30年、ル・コルビュジェに師事した後、帰国。1930−35年レーモンド建築設計事務所に勤務。1935年、前川國男建築設計事務所を設立。設計作品に、紀伊國屋書店、神奈川県立図書舘・音楽堂、京都会舘、東京文化会館、埼玉県立博物館、東京都美術館、東京海上ビル、熊本県立美術館など。日本建築学会大賞、毎日芸術賞、朝日賞などを受賞。

 本展は日本の近代建築の歴史に大きな足跡を残した建築家・前川國男の生誕100年を記念して、その仕事を振り返りながら、彼の建築思想とその今日における意味を広く検証するものです。
 前川は東京帝国大学工学部建築学科を卒業後パリに渡り、当時最前衛の建築家だったル・コルビジェに師事します。そこで近代建築の思想と、それを生む母体となったヨーロッパ文明の豊かさを体得した彼は、独立後近代建築を日本に導入する運動を精力的に展開します。
 戦前は競技設計の計画案が多く実現した建物はわずかですが、それらはいづれも、それまでの日本になかった明るく自由で民主的な空間を強く印象づけるものでした。戦後、日本の民主化と経済復興の中で近代建築の合理性が共感を得、前川は50年代から60年代にかけて京都会舘や東京文化会館など日本の近代建築を代表する傑作を数多く生み出します。
 しかし、経済成長の絶頂期である60年代後半から、前川は近代建築の方向性に疑問を抱きはじめ、自らの建築の考え方を修正していきます。そして合理性や機能性だけでなく、深い人間性と普遍性を追い求め、打ち込みタイルの重厚な壁面と流れるような流動的プランをもつ熊本美術館などの美術館・博物館建築の傑作を再び生み出すのです。
 近代建築の本流に位置しながら、常にそのあり方に対し批判と提言をつづけ、作品のみならず、言論においても日本の近代建築に多大な影響を与えた前川が社会と建築にささげたその壮絶な人生を通じて何を私たちに遺してくれたのか。それを約250点あまりの資料を通じて振り返ります。
会 期 2006年11月17日(金)〜12月24日(日)
10時30分〜18時30分[日曜休廊・ただし12月24日は開廊]
入館料 大学生・一般:500円 小中高生は無料
※京都造形芸術大学生及び京都芸術デザイン専門学校生は無料
主 催 京都造形芸術大学 ギャルリ・オーブ
京都造形芸術大学 比較芸術学研究センター
生誕100年 前川國男建築展実行委員会
協 力 前川建築設計事務所、京都工芸繊維大学 松隈研究室
関連企画 オープニングセレモニー
11月17日[金]17:00〜 ギャルリ・オーブ前吹抜

シンポジウム:「それぞれにとっての前川國男 その1」
11月18日[土]14:00〜15:00 京都造形芸術大学興心館K32教室
入場無料、定員先着150名
吉村篤一(建築家 吉村篤一+建築環境研究所)
岸 和郎(建築家 京都工芸繊維大学 教授)
司会:横内敏人(建築家 京都造形芸術大学 教授)

シンポジウム:「それぞれにとっての前川國男 その2」
12月2日[土]14:00〜15:00 京都造形芸術大学人間館NA102教室
入場無料、定員先着150名
松山 巌(作家 評論家)
布野修司(滋賀県立大学 教授)
司会:松隈 洋(京都工芸繊維大学 助教授)
 


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