視点の先、視線の場所


会期:2015年6月21日(日) - 7月5日(日)
時間:11:00-18:00
※会期中無休、入場無料
主催:京都造形芸術大学
協力:Gallery PARC、幸せ工務店


本展は、人間の「見る」という行為について制作活動を通して考察を続ける2名の若手作家による企画展です。

来田広大は、山を中心とした各地でのフィールドワークを軸として、その場所やそこから見える風景をモチィーフに、見る者との間にある意識的な距離や認識の差異(ズレ)を、絵画、ドローイング、インスタレーションにより可視化することを試みる現代美術家です。
吉本和樹は、自らの出身地でもある広島という場所に対して人々が持つイメージや、場所に対して向けられるまなざし、場所がもつ記号をテーマに写真作品を制作しています。

両作家は、扱うテーマや表現手法は異なるものの、人間の「見る」という行為について思索するという共通点を持ちます。
両者の作品を通じて、視点あるいは視線の有り様の一例を提示することで、この展覧会が「見る」という行為を一旦未知化し、私たちがどのように世界を捉えているのかを再考する契機となることでしょう。

※本展覧会は2015年度教職員公募企画です。


◆関連イベント — 公開座談会

日時:2015年6月28日(日)15:00 -17:00
会場:ギャルリ・オーブ ※予約不要、参加費無料
ゲスト:藤本 由紀夫(ふじもと ゆきお)…アーティスト、京都造形芸術大学教授。


◆出品作家プロフィール

来田 広大(きた こうだい)
1985年兵庫県生まれ。京都市在住。2008年東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻卒業。2010年東京藝術大学大学院美術研究科修士課程油画技法材料修了。 2012年~現在 京都造形芸術大学大学院副手。
各地でのフィールドワークをもとに、絵画、ドローイング、インスタレーション作品を制作・発表。
主な個展に2013年「Birds-eye view」Gallery PARC(京都)、2014年「FUGAKU HYAKKEI」ギャラリー昨明(福島)、グループ展2015年「これからの、未来の途中」京都工芸繊維大学美術工芸資料館(京都)など。

吉本 和樹(よしもと かずき)
1984年広島県生まれ。京都市在住。2005年日本写真映像専門学校卒業。2007年京都造形芸術大学情報デザイン学科卒業。2012年情報科学芸術大 学院大学(IAMAS)修了。2012年~現在 京都造形芸術大学情報デザイン学科副手。
写真を表現媒体とし、主に広島をモチーフに撮影を行う。「ヒロシマ」という場所に対して人々が抱くイメージや、その場所が持 つ機能や力、そこに向けられるまなざしをテーマに制作活動に取り組む。
原爆ドームにカメラを向ける人々の後ろ姿を撮影した近年のシリーズ作品《撮る人 A-bomb Dome》では、象徴的な存在(原爆ドーム)とそこに集まる人々の振る舞いを通して、その場にある力の存在について考察を試みている。